解答:イ
利益(収益)は以下の式で求められる。
利益=売上-(固定費-変動費)
製造量=販売数であるから、この問題における売上は販売価格×製造数で求まる。固定費と変動費はその名が表すとおり、固定費は売上に関係なく一定額発生する費用である。変動費は売上に比例して発生する費用である。この問題の変動費は、製品1個あたりの変動費×販売数で求められる。
以上から利益は次の式で求まる。
利益=販売価格×販売数-(固定費+1個あたりの変動費×販売数)
A案とB案それぞれの利益を求めて比較する。売上はA案とB案は同じであるからあらかじめ計算おく。
売上(単位:万円)
10×1,000=10,000
A案の利益(単位:万円)
10,000-(1,000+1,000×3)=6,000
B案の利益(単位:万円)
10,000-(2,000+1,000×2)=6,000
この問題の条件においては、A案とB案の利益は等しい。したがって、解答群イが適切な記述である。
問題からは外れるが、ちょっと豆知識。採用するのであればB案である。
その理由は限界利益(以下、貢献利益)が多いため、A案よりも有利だからである。貢献利益は売上から変動費を引いたもので、固定費+利益を表している。
この貢献利益の意味は、製品の販売が1個増えたときに増える利益である。
A案とB案の1個あたりの貢献利益はつぎのとおりである。
A案の貢献利益(単位:万円)
10-3=7
B案の貢献利益(単位:万円)
10-2=8
A案に比べてB案のほうが1個あたりの貢献利益が1万円多いことが分かる。固定費は増減せず、増減するのは変動費である。売上と変動費の関係を表している貢献利益で比べれば分かりやすい。